スコーレは05年、1万6148人分の署名を集めて県議会に請願。県教委は「沖縄だからこそ、戦争で学ぶ機会を失った人に道を開く必要がある」ととらえ、06年度から、修了者について県内の定時制通信制高校への進学を認めた。さらに今年度の修了者から、自宅の最寄りの中学が正式に卒業を認定し、その中学が卒業証書を授与する特例措置を適用することにした。


 自主夜間中学は全国的には少なくないが、連絡組織の全国夜間中学校研究会は「一つの自主夜間中学の教育全体を中学卒業同等のものと認定するのは初めてではないか」という。


 スコーレの現在の「3年生」は10人。そのうち6人が卒業し、他の4人は勉強をもっと身につけるため「留年」して学び直す。


 卒業生の一人、上原英子さん(74)はさらに勉強を進めようと、那覇市定時制高校を10日に受験した。小4の終業式の日に米軍が攻めてきて、母は避難するさなかに亡くなった。防衛隊に招集された父も亡くなり、ずっと満足に学校に通えなかったが、スコーレで学ぶ楽しさを知った。「高校だなんてちょっと不安ですが、苦労した分、たくさん勉強したい」と言う。(宮本茂頼)

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