紙ふうせん:夜間学級代表、川村さんが昼間の学校を「卒業」/来月から13年目の新人生へ/北九州

北九州市立城南中学校(小倉南区)の教室を使い、ボランティアが自主運営している夜間学級で24日夜、今年度の修了式があった。生徒一人一人に修了証書を手渡した代表で、中学校教諭の川村公子さん(60)は今年、定年を迎えた。修了式で「4月からは夜間学級の皆さんに専念します」と“宣言”すると、生徒やスタッフから盛大な拍手が贈られた。


川村さんは12年前、仲間と夜間学級の前身「よみかき教室・城野」を設立。「満足に学校に通えず、大人になってから『毎日勉強したい』という人たちの思いに応えようと始めただけ」。授業は週1回で始めたが、市と交渉して02年から城南中の教室が使えるようになり、05年からは週5日に広がった。


週2〜3回は夜間学級に顔を出すようにしたが、午後7時の始業前に来られる日はほとんどなかった。来ても試験の採点など、たまった仕事に追われた。


「大変だったけど、昼間の学校があったから夜間学級も続けられた。互いにつながるものがあった」と振り返る。テストがなくても、成績をつけなくても、学び続ける夜間学級の生徒たち。「生徒さんの後ろ姿にエネルギーをもらいました」


生徒の女性たちは、交代で川村さんに弁当を用意してくれていた。あいさつでは「感謝の気持ちでいっぱい。4月からは午後7時前に、夕飯を食べて教室に来たい」と笑わせた。春から13年目を迎える夜間学級。始業式がある4月7日に、川村さんの新たな人生が始まる。【佐藤敬一、写真も】
2010年3月28日

http://mainichi.jp/seibu/news/20100328sog00m040004000c.html