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「学ぶうれしさに足震えた」 城南中「夜間学級」が修了式 小倉南区

戦中、戦後の混乱などで小中学校に通えなかった人たちのための自主的な夜間中学である城南中学「夜間学級」の修了式が二十四日夜、小倉南区富士見の同校であり、約三十人が出席した。同学級で学んだ生徒が一人ずつ修了証書を受け、「四月以降も学び続けたい」などと語った。


参加して一年目という七十六歳の女性は「友達からの誘いがきっかけ。字を学べるうれしさで最初は足が震えた」と目頭を押さえた。郵便局では、年金の受け取り書類を局員に書いてもらっていた。「自分で書いて提出したら、局の皆さんが立って拍手してくれた。仕事があり、授業には月の半分ほどしか出席できないけど、ずっと学び続けたい」と話していた。


前身の「よみかき教室・城野」の設立から八年目になる。本年度は、節目の年だった。名称を変更し、初めて毎日勉強する「週五日制」を実現。授業日数は年間二百十二日を達成した。活動実績を認めた北九州市も助成を決定。本年度は、八幡西区萩原の穴生中学「夜間学級」とともに、年間百万円の支給を受けた。


月曜から金曜の午後七時から九時まで、同校の教室などで約二十人が学ぶ。一時限目は識字に取り組み、二時限目は中学校で習う全科目を日替わりで設定。英語や体育、総合学習、学活の時間もある。


「でも、学ぶ場を必要としている人は、まだまだ多い」と、当初から支援を続ける川村公子・同学級代表は訴える。「夜間学級活動の支援とともに、公立の夜間中学開設も行政へ働き掛けていく」と語った。


新年度の夜間学級は四月十日から。


【写真】初めて実施された「週5日制」の年間授業を終え、生徒は1人ずつ川村代表(右)から証書を受け取った

http://www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/20060326/keitiku.html